VHSの整理 ボリショイの「ライモンダ」

ベスメルトノワ、ヴァシュチェンコ、タランダという80年代のベストメンバー。グラズノフの音楽も、プティパの振付もいいが、ストーリーとしては単調。仕方ないので、グリゴロヴィッチは、とにかく踊るシーンを増やしている。アブダラーマンを魅力的な人物にするため、彼にもとにかく踊らせる。しかし、この作品、かなりの人種差別だ。有色人種(サラセン)が白人世界(フランス)に入りこもうとするが、結局白人の勝ち。白人は幸せになり、有色人種は追い出される。当時のロシアを含むヨーロッパは、アジアやアラブに侵攻していたので、エキゾティックな雰囲気のバレエが喜ばれたそうだ。

バランシンとモーツァルト

You Tubeで、NYCBの「ディベルティメント15番」を見る。仲々見る機会に恵まれない作品だが、いろいろな意味でバランシンの見本のような作品。アンサンブルは女性8名、プリンシパルは女性5名、男性3名。アンサンブルはそれぞれ見せ場があるし、プリンシパルも時にアンサンブルに混ざる。「セレナーデ」がさらに進化した作品。モーツァルトの数多い作品の中から、この曲を選んだバランシンはすごい。

VHSの整理 マカロヴァの「白鳥の湖」

1976年頃のABTの「白鳥の湖」を見る。美術、衣装は古臭いし、マイムが多く、演出的には過去の舞台。しかし、マカロヴァのオデット、オディールは素晴らしい。オデット、オディールを踊るのに、足を180°開脚する必要はない。

21世紀版「眠りの森の美女」

wowowで、2011年のボリショイの「眠りの森の美女」を見る。こちらも主演はザハーロワ主演。グリゴロヴィッチ版だが、美術、衣装はかなり変わっている。グリゴロヴィッチはカラフルな色彩より、シックで同系統の色合いが好みだ。「白鳥の湖」では、オデットの白、オディールの黒を基準に全体的に白系統の色が使われている。5人の花嫁候補も白系統で統一されていて、民族色をあまり出さない。「眠りの森の美女」の4人の花婿候補も20世紀版では白系統衣装で、民族色は全くなかったが、21世紀版ではカラフルな色調で民族色をはっきり出している。1幕、3幕では子供たちも登場するし、より式典色を出したということかもしれない。

21世紀版「白鳥の湖」

wowowで、2015年のボリショイの「白鳥の湖」を見る。グリゴロヴィッチが再評価され、2001年に改訂したバージョン。基本的に元のバージョンと変わらないが、幕切れが違う。王子はオデットを救うことが出来ず、絶望に打ちひしがれて幕となる。グリゴロヴィッチらしい暗い幕切れだ。何でも、ソビエト時代は、この幕切れが許されなかったとか。今評判のザハーロワが主演。確かに足が長くて素敵だが、バレエというよりフィギャースケートを見ているようだ。

VHSの整理 キーロフの「ドン・キホーテ」

ドン・キホーテとサンチョパンサが登場する時、二人共ロバに乗って来るのだが、そのロバが本物。つまり、それぞれがロバに乗って、それぞれのロバにロバの付添いがついている。もちろん、その人たちはロバの「専門家」なので、衣装を着ているが芝居心はない。二人がロバを降りると、表情も変えずロバと共にいなくなる。この公演では、アシルムラトワが第一幕でエスパーダの相手の街の女を踊っている。「ジゼル」ではジゼルの母ベルタをやっていたりして、主役を踊るまで苦節があったようだ。

VHSの整理 放蕩児の遍歴

原作はウィリアム・ホガースの銅版画。ストラヴィンスキーのオペラが有名だが、こちらはバレエ。ロイヤル・バレエの創始者、ニネット・ド・ヴァロワ女史が、1935年に発表した作品。現在では、ほとんど上演されていないし、出演者の中にデイビット・ビントレーがいるなど、かなりレアもの。

VHSの整理 夏の夜の夢

サー・ピーター・ホールが、1968年に映像化した作品。ヘレン・ミレンがハーミア、ジュディー・ディンチがタイテーニアをやっている。50年も前なので、二人共若くて可愛らしい。貴重な映像である。

VHSの整理 十二夜

BBCがテレビ映像に製作したシェイクスピア作品。40年前に製作されても古臭くないのは、シェイクスピアならでは。出演者の中で、出色なのは、フェビアン役のロバート・リンゼイ。この数年後にミュージカル「ミー・アンド・マイ・ガール」の主役で成功し、ブロードウェイの舞台にも立ち、トニー賞も受賞した。その後、ぱっとしないのが残念。因みに、日本語吹き替え版をカセットテープにとってあったので、それも久しぶりに聞いてみる。その時の配役がすごい。
  オーシーノー    西田健
  ヴァイオラ     高林由紀子
  オリビア      伊藤幸子
  セヴァスチャン   岡本富士太
  マルボーリオ    名古屋章
  サー・トービー   勝部演之
  サー・アンドリュー 三谷昇
  マライヤ      文野朋子
  フェステ      橋爪功
  フェビアン     後藤哲夫
  アントニオ     立川光貴(三貴)
名古屋章以外は、当時の円の人たち。今も円にいるのは、高林由紀子、岡本冨士太、勝部演之、橋爪功、円を退団したのは、西田健、三谷昇、立川光貴、亡くなったのは名古屋章、文野朋子、後藤哲夫。伊藤幸子さんは不明。
フェステの歌の部分も、橋爪さんが歌っていた。

VTRの整理 キーロフとボリショイ

1990年前後のキーロフ・バレエもルジマードフ、アシルムラトワらが活躍しているいい時期。ボリショイがグリゴロヴィッチ色一色の舞台なのに対し、キーロフは伝統的なロシアバレエの華やか明るさを継承している。セットは分かりやすいし、衣装もあざやか。「海賊」「コッペリア」といった作品はキーロフに向いている。そして、いい意味でも悪い意味でも、キーロフのダンサーはあまり個性的ではない。この時期のボリショイの男性の主役は、ムハメードフ、リエパ、ヴァシュチェンコ、フェデーチェフの四人だったが、この四人がそれぞれ個性的で、それぞれの魅力があったが、キーロフにはルジマードフを除いて、彼らのような強烈な個性のあるダンサーがいなかった。

VHSの整理 1987年のボリショイ・アメリカ・ツアー

1987年にボリショイバレエはアメリカツアーを行った。その時の宣伝は、グリゴロヴィッチの「男のバレエ」をアピールしていて、広告塔として使われたのが、「ライモンダ」のアブダラーマンを踊っているタランダの舞台写真だった。バレエの宣伝と言えば、バレリーナの美しい写真が使われるのが普通なので、そのタランダの写真は強烈な印象を与えた。ところが、いざボリショイが来ると、そのメンバーの中にタランダはいなかった。完全に存在を消されていた。ソビエト時代のことなので、亡命を警戒されていたのだろうか。しかし、同じ頃に行われた日本やイギリスの公演にタランダは参加している。何故、アメリカに来なかったのか。今だに謎である。

VHSの整理 タランダ

グリゴロヴィッチ・バレエの申し子と言えば、ムハメードフと言われることが多いが、私的には何といてもタランダである。グリゴロヴィッチ・バレエの特色の第一が、男のバレエだということである。主役からコール・ドの一人一人にまで高度なテクニックと表現力を求めている。特に、準主役の役柄の存在感を高めているのが特徴的で、その一番の象徴が「ライモンダ」のアブダラーマンだろう。単なる敵役ではなく、主役とほぼ同等の存在として作られており、それを体現したのがタランダである。タランダは、他に「イワン雷帝」「愛の伝説」でも準主役で活躍しているが、その一方、「スパルタカス」ではほとんど顔を見せない奴隷、「眠りの森の美女」では四人の王子の一人、「石の花」ではジプシーと小さな役も踊っている。おそらく、コール・ドからグリゴロヴィッチ・バレエを踊り、その集大成として、こうした役にたどりついたのではないだろうか。いずれは「スパルタカス」のクラッスス、「ロミオとジュリエット」のティボルトなどを踊るようになるだろうと期待していたが、ソビエト崩壊とグリゴロヴィッチの解任のごたごたの中、ボリショイから姿を消してしまった。なんとも残念である。

VHSの整理 ロシア色の強いバレエ

「石の花」「イワン雷帝」「愛の伝説」ロシア色が強いためか、日本では上演されることがないし、来日公演の演目にも入ることはない。「石の花」はロシア、「愛の伝説」はトルコの物語が原作なので、民族色が強い。すごいのは「イワン雷帝」。映画が原作で映画で使われた音楽で構成されている。主要登場人物を三人にしぼり、男性中心のコール・ドが大活躍する。登場する全員が一度も笑顔を見せることのないバレエである。あの時代のボイショイだから上演できた作品かもしれない。

VHSの整理 グリゴロヴィッチ

90年代初めのボリショイバレエのグリゴロヴィッチ作品を見直す。「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠りの森の美女」「ジゼル」「ライモンダ」「スパルタカス」「石の花」「イワン雷帝」「愛の伝説」「ロミオとジュリエット」今さらだが、グリゴロヴィッチはすごい。ただの振付家ではなく、演出家であり、クリエーターでもある。良く言えば伝統的であるロシアのバレエを少しずつ、改革し、西側にも認められる、要するに世界的に認められる舞台を作り上げたのである。単純なことだが、舞台のダンススペースを広くとるため、ごてごてした美術を排除し、シンプルで転換しやすいセットにすることで、進行をスムーズにしている。これによって、舞台転換、ダンサーの出入りがスムーズになり、上演時間も短縮されているのだが、おそらくこれはロシアの伝統に対する挑戦とも言えることだったのではないだろうか。ソビエト崩壊後、独裁者のように攻撃されて、結局解雇されたが、彼の作ったものは伝統として残していって欲しい。

VHSの整理 アイスクリームマン

今となっては珍しい、岩松了の若者中心の群像劇。連絡手段はピンク電話と電報。カメラはフイルムで現像するまで見られない。自撮りは出来ないから誰かに撮ってもらう。皆、やたらと煙草を吸う。30年前の作品だから仕方ないが、それぞれに意味があるので、設定を今にすることは不可能。要するに、「古典」ということになるのか。今も活躍している出演者もいるが、どうしちゃったんだろうという出演者もいる。

VHSの整理 バランシン

一年に最低でも1回はバランシンのバレエを見ないといられない。と思っていたのは20世紀のこと。ここ最近は見なくなってしまった。原因は、明らか。何か、違うのだ。バランシンに直接指導を受けたダンサーたちがほとんどいなくなってしまってから、違うようになってきたように思う。NYCBでさえ、違う。で、改めて80年代のキシラーやニコルズのバランシンを見て、やっぱり違うと確信した。私にとってのバランシンはこの時代のバランシン。振りが同じでも、何かが違う。振りうつしをするのは、出来るが、問題は、振りの先にあるものなのだろう。

岡田中佐の謎

海軍軍令部の岡田中佐が26日に独自に首相官邸に行った可能性について考えてみる。26日の午後、迫水秘書官が大角海軍大臣に岡田首相の生存を伝えた後、大角大臣が軍令部に真偽を確かめるように命じ、その任を受けて、首相官邸に行ったのが岡田中佐だった。同じ岡田姓なので、親族だと言って潜入できるのではないかと使命されたのだ。そこで、岡田中佐は岡田総理の甥だと言って弔問し、遺体が岡田総理ではないことを確認し、大角大臣に報告した。27日に決起部隊が「話のわかる人間を寄越せ」と言ってきた時、前日に首相官邸に行っていて状況を少しは把握している岡田中佐が出かけることになった。

吉祥寺

吉祥寺シアターで、劇団enjiの「白鳥先生と過ごした2日間」を見る。すごい装置なので、やらざろう得ないのはわかる。ゆったりとした客席なのは仕方ない。帰りは吉祥寺のライフで買物。

六本木

俳優座劇場で、イッツフォーリーズの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を見る。再演だが、同じなのは、原作と音楽だけか。初演はぎゅぎゅうづめの客席だったが、皮肉にも今回はゆったりした客席で、堪能できた。帰りはLincosで買物。

中板橋

新生館スタジオで、ペルソナの「おとぎ話」を見る。芥川龍之介の「桃太郎」、太宰治の「舌切雀」など、なかなかシュール。時節柄、出演者の数と観客の数がほぼ同じ。

今日も下北沢

ザ・スズナリで、Project Nyxの「女歌舞伎 新雪之丞変化」を見る。原作は長谷川時雨のパートナーの三上於莵吉。女方の役を女性がやるということろがちょっと違和感があるが、オール女性キャストで歌あり踊りありの楽しい舞台。帰りは代々木上原で降りて小田急OXで買物。予測以上に売り場は空だった。

下北沢

シアター711で、ハツビロコウの「野鴨」を見る。2時間10分バージョン。結局、せつない物語という印象。帰りは久しぶりにオオゼキで買物。何となく、買いだめが始まっているような風景。

信濃町

文学座アトリエで、文学座アトリエの会の「歳月」「動員挿話」を見る。「歳月」1時間半、「動員挿話」50分。ゆったりした客席だったが、前半で少し疲れた。帰りは四谷三丁目に出て丸正で買物。

下北沢

geki地下libertyで、劇団YAMINABEの「恋愛工作」を見る。客席は補助席を出すほど満席。下北沢も渋谷もいつもと変わらぬ賑わい。

大塚

萬劇場で、NASHプロジェクトの「キラメク」を見る。長谷川時雨の物語だが、劇作家としてではなく雑誌の主幹としての話。上演時間は2時間45分。

両国

お江戸両国亭で、てるてる坊主の会を見る。第一回が2011年で、それ以来の両国亭。籠釣瓶の新内版はなかなか華やか。

新宿三丁目

雑遊で、蛍雪次朗一座ーールパン鈴木を偲んでーーを見る。コントっぽい芝居のオムニバス。蛍雪次朗はやっぱり面白い。

住吉

ティアラこうとう小ホールで、住吉亭春風亭正朝独演会を見る。「星野屋」「鹿政談」という渋い二席。入りはおよそ30名。

下北沢

駅前劇場で、トラッシュマスターズの「対岸の絢爛」を見る。トラッシュとは思えない、ゆったりとした客席。でも、上演時間は2時間40分休憩なしで、いつものトラッシュ。