マカロワとパールマン

もう一つレアものを発見。どこかのイベントで、マカロワとイワン・ナギーが「白鳥の湖」第二幕のパ・ド・ドゥを踊り、そのヴァイオリン・ソロをイツァーク・パールマンが舞台上で演奏している。残念ながら、カメラはバレエの方を映しているので、パールマンの演奏を見ることはできないが、改めて、あの音楽のヴァイオリン独奏の素晴らしさを実感。後半のチェロの独奏も素敵。パールマンは車椅子なので、終演後マカロワがパールマンのところまでいって挨拶していた。

アシュトンのパ・ド・カトル

新たに、You Tubeでレアものを発見。ロイヤル・バレエの「白鳥の湖」だが、主演がマカロワとアンソニー・ダウエル。二人の活躍時期で考えると1980年前後の公演のものかと思われる。プティパ、イワノフ版にアシュトンとヌレエフが追加振付をしたもの。そこで確認したところ、アシュトンのパ・ド・カトルは第三幕のディベルティメントの最初に踊られていたものだということが判明。四人の男女は演劇的に意味のある人物ではない。リアム・スカーレット版の場合は、王子が来るまでの穴埋めでベンノが苦肉の策で、王女二人を誘ってパ・ド・トロワを踊るので、演劇的な意味がある。リアム・スカーレットはアシュトンのパ・ド・カトルを意識していたのだろうか。

マカロワ版「白鳥の湖」

You Tubeでレアものを発見。ロンドン・フェスティバル・バレエ(今のイングリッシュ・ナショナルバレエ)によるマカロワ版「白鳥の湖」。1988年にテレビ用に製作されたもの。オデット、オディールはイブリン・ハート、王子はピーター・シャウフス。グリゴロヴィッチ版と同じ二幕構成。アシュトン振付のパ・ド・カトルとナポリを取り入れているのは、アシュトンへの忖度か? 第一幕のパ・ド・トロワの代わりにアシュトンが導入したパ・ド・カトルは、男性、女性二人ずつで、女性はクラシックチュチュ。音楽は、パ・ド・トロワのものではなく、第三幕で使われるもので構成している。四人の踊り、女性ソロ、男性デュエット、女性ソロ、コーダ。ナポリは第三幕でベンノと女性で踊られる。マカロワ版では、ベンノが登場して、家庭教師、道化は登場しない。第二幕はほぼイワノフ版。第三幕は、ナポリ以外のディベルティメントはなし。というわけで、女性のコール・ドは第三幕にはほとんど登場しないので、第三幕と第四幕を続けて上演できるかたちとなっている。ところで、現在ロイヤル・バレエで上演されているリアム・スカーレット版「白鳥の湖」では、第三幕にベンノと王子の妹二人によるパ・ド・トロワがあるが、これが、アシュトンのパ・ド・カトルとほぼ同じ音楽が使われている。ナポリもやはりアシュトン版がそのまま使われているし、ここでもアシュトンに対する忖度か?  いや、アシュトンに対するリスペクトだろう。

ヌレエフ版「ドン・キホーテ」

You Tubeで、パリ・オペラ・バレエのヌレエフ版「ドン・キホーテ」を見る。2002年の公演のもので、主演はオレリー・デュポンとルグリ。二人共、ぴったりの配役。
ヌレエフ版の特徴
*プロローグが長い。
*エスパーダがあまり活躍しない。
*第一幕にバジルのソロが入る。
*キトリとバジルは、ジプシーの服をもらってじぷりーに化ける。居酒屋のシーンでは二人共ジプシーの衣裳。
*ジプシーの人形劇のシーンは、子供が人形を演じる。
*キューピットは、クラシックチュチュを着る。
*居酒屋のシーンで、二人の結婚が許されると、二人は退場。(着替えのため)その後、ガマシュとドン・キホーテが決闘をする。
*パ・ド・ドゥの振付もヌレエフの振付。ドン・キホーテのパ・ド・ドゥというより、キトリとバジルのパ・ド・ドゥ
やっぱり、ドンキは楽しい。ルグリが出てればなおさら。

ラコット版「ラ・シルフィード」

You Tubeで、パリ・オペラ・バレエの「ラ・シルフィード」ラコット版を見る。オレリー・デュポンの主演、マチュー・ガニオのジェームズ。2004年頃のものらしい。同じストーリー、同じ登場人物、ほぼ同じ台本、ほぼ同じ衣裳、装置なのだが、ブルノンヴィル版とは音楽と振付が違うので、世界観が全く異なる。上演時間もブルノンヴィル版より長い。第一幕では、ジェームズとエフィとシルフィードのパ・ド・トロワが入ったりするし、第二幕では、シルフィードたちの踊りの場面がかなり長い。ブルノンヴィル版の方がストーリー性が高く、第二幕で、エフィたちがジェームズを探しに来て、グルンがジェームズを帽子を見つけるが、マッジにエフィに教えない方がいいと言われるシーンはラコット版にはない。その代わり、シルフィードたちが宙乗りで宙を飛び、亡くなったシルフィードの遺体も宙に飛んでいくなど、外連味に富んでいる。オレリー・デュポンは顔立ちがはっきりしているせいもあるが、妖精役には向いていないように思える。衣裳、髪型、メイク全体的に見て、妖精らしく作られていないように思う。特に、アクセサリーを多く(イヤリング、ブレスレッド、ネックレス)つけているのが疑問。好みの問題からして、やはりブルノンヴィル版の方が、音楽も振付も好きだという結論に達した。

チェリェヴィチコ

ウィーン国立バレエのプリンシパルダンサー、デニス・チェリェヴィチコはウクライナ出身。それも、親ロシアとして有名で、今や自主独立しているらしいドネツクの出身。ドネツク・バレエを世界的に有名にしたワジム・ピサレフに師事していたらしい。ピサレフは、先日のモスクワ・バレエ・コンクールの審査員もしていて、明らかに親ロシア派。チェリェヴィチコはずっとウィーンで活動しているので、関係ないことかもしれないが、微妙な立場のように思える。そのチェリェヴィチコとムハメードフの対談がYou Tubeで見られるが、二人して英語で話している。

ルグリ版「シルヴィア」

「シルヴィア」が初演されたのはパリ・オペラ・バレエということで、ルグリ版は、その初演の再現をイメージしているらしい。ウィーン国立バレエ時代(コロナ前)のリハーサル風景を見ると、ルグリの熱の入り方が半端ではない。自ら踊ってみせることも多く、まだまだ踊れる感であふれている。因みに、ウィーンではリハーサルは英語。今年に入って、ミラノ・スカラ座バレエで、「シルヴィア」のリハーサル風景がYou Tubeにアップされているが、コロナのせいもあるが、ルグリはマスクをして、あまりダンサーに近づかないようにしていて、自ら踊ることも控えているように見える。ミラノでのリハーサルはイタリア語。ダンサーが圧倒的にイタリア人が多いからだろう。

「シルヴィア」いろいろ

ちょっと「シルヴィア」にはまって、You Tubeでいろいろと見てみた。アシュトン版やルグリ版など。他にビントレー版もあるみたいだが、パ・ド・ドゥしか見られなかった。というわけで、結局のところ、番外になるが、バランシンの「シルヴィア・パ・ド・ドゥ」が一番いいという結論に達した。バランシン版は、シルヴィアの音楽のいいところだけを取り出して、パ・ド・ドゥに構成したもので、スートリー、役柄は全く関係なく作られている。従って、音楽のいいところと、テクニックの見せ場と、ダンサーの見せ方が実にうまくマッチしている。こういうところのバランシンの素晴らしさを改めて実感させられた。この作品も、「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」のようにもっと踊られればいいのにと思う。因みに、You Tubeで見たのがABTのマーティン・ヴァン・ハメルとパトリック・ビッセルの30年以上前のものだが、色褪せずに素晴らしい。カリンスカの衣裳も素敵。ところで、アシュトンの「シルヴィア」は、40年代に初演された後、再演されずに忘れ去られたものをアシュトンの死後復活上演したそうだが、初演時の資料がほとんどなく大変な作業だったそうだ。アシュトン振付によるシルヴィアのソロは、アシュトンの代名詞といっていいくらいの素晴らしい踊りだ。アシュトン版だと、このソロはクラシックチュチュで踊る。結局、役柄から解放された振付が印象に残るというのは皮肉なことだ。

外苑前

南青山マンダラで、邦楽わちゃわちゃ寄席OTTO-BOKE LIVEを見る。邦楽のカルテット(太棹、中棹、鳴り物、笛)とピアノのジョイント。邦楽の作品をピアノを入れて演奏するのかと思っていたら、洋楽を邦楽に編曲しての演奏だった。出演者は全員女性。

ノイマイヤー版「シルヴィア」

You Tubeでパリ・オペラ・バレエのノイマイヤー版「シルヴィア」を見る。2005年のもので、主演はオレリー・デュポンとルグリ。ノイマイヤー版なので、とにかく長い。「シルヴィア」の音楽を使った全く別のバレエと思って見るべきなのかも。「シルヴィア」は典型的なフランスのバレエ。ルグリとしてもその伝統は守りたいと思っているのだろう。ウィーン国立バレエの芸術監督時代にルグリ版「シルヴィア」を製作し、今はミラノ・スカラ座バレエで上演している。

ちょっと前のパリ・オペラ・バレエ

オレリー・デュポンが現役時代のパリ・オペラ・バレエの公演の映像をYou Tubeでいろいろと発見。つまり、2015年以前のものということになる。まずは、バランシンの「ジュエルズ」。デュポンがルビーのソロ(パ・ド・ドゥを踊る方)を踊っている。全体的に表情やアイコンタクトをとりすぎていて、バランシンぽくない印象。

ジーン・ケリー

BSプレミアムシアターで、スコティッシュ・バレエの「スターストラック」を見る。ジーン・ケリーがパリ・オペラ・バレエのために振り付けた「パ・ド・デュー」という作品をもとに、ジーン・ケリーへのリスペクトをこめて再構成された作品。音楽はショパン(「レ・シルフィード」の音楽)とガーシュイン。「パリのアメリカ人」を彷彿とさせるジャズっぽいバレエ。レッスン、リハーサル、休憩、本番と続く構成も面白い。

水晶宮

ロシア語のYou Tubeには思わぬ拾い物が入っていることがある。というわけで、パリ・オペラ・バレエによるバランシンの「水晶宮」を発見。おそらく2017年頃の上演のものかと。ビゼーの交響曲第一番に振付られたおの作品は、パリ・オペラ・バレエのために作られたもので、後にNYCBのためには「シンフォニー・インC」として上演されている。振付もだいぶ変えられているし、衣裳も変わっている。今は「シンフォニー・インC」で上演しているところが多いので、「水晶宮」を見られるのはパリ・オペラ・バレエくらい。「水晶宮」はとにかく衣裳が華やか。第一楽章が赤、第二楽章が青、第三楽章が緑、第四楽章がピンク。いかにもパリ・オペラ・バレエらしいバレエだ。しかし、黒い衣裳の「シンフォニー・インC」はいかにもバランシンらしいバレエだ。とりわけ、第二楽章の振付がかなり変わっているのだが、これは、第二楽章を踊るバレリーナがそれぞれの時代でバランシンの愛したバレリーナだからだろう。

マカロワ版「ラ・バヤデール」

WOWOWで、ロイヤルバレエ、2018年の「ラ・バヤデール」を見る。ヌニェス(ニキヤ)、オシポワ(ガムザッティ)、ムンタギロフ(ソロル)という今のロイヤルバレエで一番のキャスティング。オシポワはボリショイ時代にニキヤを踊っているし、ヌニェスもガムザッティを踊っている。役を交代したキャスティングでも見てみたい。それにしても、ソロルは、ニキヤともガムザッティともパ・ド・ドゥを踊るという大変な役だ。他の出演者は、マクダヴェーヤをルカ・アクリ、金の仏像をアレキサンダー・キャンベル。影の王国のソロは、高田茜、ヤスミン・ナグティ、チェ・ユフィ、その他、金子扶生、マヤラ・マグリ、アンナ・ローズ・オサリバン、リース・クラークら今のプリンシパルが小さな役で出ている。カーテンコールにはマカロワも登場。その時の拍手が一番大きかった。いつか、高田茜(ニキヤ)、金子扶生(ガムザッティ)、平野亮一(ソロル)という日本人トリオで見てみたいものだが。

小竹向原

アトリエ春風舎で、鈍色遊楽(Dull-Colored POP)の「岸田國士戦争劇集」を見る。「動員挿話」「戦争指導者」「かへらじと」の3本。と言っても「戦争指導者」は1分くらいなので、実質的には二本立て。映像と声の録音を入れて二本立てというか一つの作品として仕上げている。小竹向原はかなり久しぶり。帰りはいさみ屋で買い物。

ロイヤルバレエの人事

やっと発表になった昇進と引退。まず、ジョセフ・シセンズがファースト・ソリストに昇進。彼の活躍ぶりを見れば納得。しかし、ベンジャミン・エラが今年も昇進出来なかったのは残念。日本人ダンサーでは、去年ファースト・アーティストに昇進した佐々木万璃子がソリストに昇進。中尾太亮と前田紗江がアーティストからファースト・アーティストに昇進。五十嵐大地が正式にアーティストとして入団。前田紗江は、すでに「白鳥の湖」の王子の妹や、「くるみ割り人形」のクララを踊っているので順当な昇進。中尾太亮は来シーズン、「うたかたの恋」のブラットフィッシュ、「くるみ割り人形」のくるみ割り人形が決まっている。佐々木須弥奈、桂千理も含めて、すべての階級に日本人ダンサーがいることになったわけで、それぞれの活躍が楽しみだ。

中野

スタジオあくとれで、劇団クアトロの「ローズのジレンマ」を見る。ニール・サイモンの最後の作品だが、見るのは初めて。コメディーではなく、ドタバタもなく、異色な感じ。

渋谷

渋谷のStar loungeというライブハウスで、Shiny Stockingというライブを見る。東急ハンズのすぐ近くにあるライブハウス。何年ぶりかわからないほど久しぶりにそっち方面に行ったが、すっかり変わっていた。

下北沢

駅前劇場で、PEACE INVADER Ltd.の「小林先生来る」を見る。20年ほど前の初演を見ているはずだが、あまり記憶がない。というわけで、ほとんど初見のつもりで見る。田舎の文学好きの若者の群像劇に小林秀雄が絡むというアイディアは改めてうまいと思う。

新宿御苑前

サンモールスタジオで、sinjing dogの「ドランク」を見る。アルコール依存症の男たちの話だが、舞台は断酒会ではなく、居酒屋。中味は断酒会っぽい。

プルーニンの「眠りの森の美女」

You Tubeで、ロイヤル・バレエ、2011年の「眠りの森の美女」全幕を見る。主演は、ローレン・カスバートソンとプルーニン。「不思議の国のアリス」の初演カップルだ。プルーニンは2012年にロイヤルを退団しているので、この公演は退団する直前ということになる。第二幕で登場した途端、不機嫌になる王子はそのままプルーニンなのだろうかとつい勘ぐってしまう。10年以上前になるので、もういない人が多いが、リラの精はクレア・カルバート、その騎士は平野亮一。妖精たちにはチェ・ユフィ、金子扶生、騎士にはアレキサンダー・キャンベルの姿が。青い鳥はチェ・ユフィとキャンベル。第二幕の飲み物を配る従者をズケッティがやっていたし、よく見ればコール・ドにいろんな人がいるのだろうが、何しろ10年前なので、はっきりと確認はできない。

シンフォニー・インC

バランシンの「シンフォニー・インC」をボリショイとマリインスキーで上演したものをYou Tubeで見る。楽章ごとになっているので、全体のつながりは不明。ちょっと驚きだったのが、第三楽章をボリショイではツィスカリーゼ、マリインスキーではキミン・キムが踊っていること。NYCBだと、第三楽章は堀内元のような小柄なダンサーが踊ることが多かったからだ。男性のソロはほんの数秒しかないのだが、そこをしっかり見せていた堀内元の素晴らしさを改めて思い出す。第二楽章は、バランシンが愛するバレリーナのために作ったと言っても過言ではない。もちろん、スザンヌ・ファレルも第二楽章を踊っていた。そういうバランシンの思いとは違ったところで踊るとなると、素晴らしいバレリーナが踊っても振りをなぞっているようにしか見えないことが多い。ボリショイでは、ザハーロワが踊っているが、さすがに素晴らしい。以前、NYCBに客演したアナニアシヴィリの第二楽章も素晴らしかったが、案外ロシアのバレリーナに向いているのかもしれない。

三軒茶屋

シアタートラムで、SePT独舞「GHOST」を見る。スズキ拓朗の振付、構成、演出、出演という一人四役。トイレットペーパーの使い方が面白い。

ミラノ・スカラ座バレエの「夏の夜の夢」

You Tubeで、ミラノ・スカラ座バレエの「夏の夜の夢」を見る。こちらはバランシン版。2007年の公演のもので、ロバート・ボッレのオベロンに、アレキサンドラ・フェリのタイテーニア。国際的に活躍するイタリア出身の代表的ダンサー二人の共演は素晴らしいが、残念ながら二人が一緒に踊るシーンはほとんどない。バランシン版では、オベロンはタイテーニアのパートナーとしては作られていない。バランシンが存命中は、堀内元を代表するように、小柄なダンサーがオベロンを踊っていたし、このバレエの主役はあくまでもタイテーニアなのだ。(もちろん、スザンヌ・ファレルがこの役を踊っていた)原作だと、結婚式の余興でボトムたちが芝居を見せるが、バランシン版ではバレエを見せる形になっている。そのバレエがまさしくバランシンのバレエで、はっきり言ってここが一番の見どころ。因みに、このバランシン版を上演しているのは、NYCBの他に、パリ・オペラ・バレエやミラノ・スカラ座バレエ。アシュトン版(タイトルは「ドリーム」)はロイヤル・バレエ、ABT。ノイマイヤー版はハンブルク・バレエ、デンマーク・ロイヤル・バレエ、ボリショイバレエ。

ノイマイヤーの「夏の夜の夢」

BSプレミアムシアターで、ハンブルク・バレエの「夏の夜の夢」を見る。舞台上演のものだが、拍手が聞こえないので、無観客で撮影された映像のようだ。ノイマイヤーの作品としては世界中で上演されている、いわば古典。ボリショイでも上演されているようだ。音楽は、恋人たちはメンデルスゾーン、妖精の世界はリゲッティ、職人たちは手回しオルガン(曲は、ヴェルディの「椿姫」など)。シーシュースとヒポリタが主役で、森の中の妖精たちの物語は結婚前のヒポリタの夢。夢の中ではシーシュースがオベロン、ヒポリタがタイテーニア、フィロストレート(シーシュースの饗宴係)がパックとなる。第二幕の結婚式の場面では、バレエではカットされることが多い、ピラマスとシスビーの芝居もバレエで上演される。シスビー役のフルートのダンサーはトウシューズをはいて踊る。ラストはフィロストレート(パック?)が一人残る。妖精の世界は、夢か現実か?という形で終わる。

六本木

俳優座劇場で、新劇交流プロジェクト「美しきものの伝説」を見る。二年越しの公演、渡辺美佐子の舞台引退公演、ということもあってか追加公演も含めて完売とのこと。昔から大好きな作品だが、長い。上演時間3時間。

青神または青色の神

ツィスカリーゼのYou Tubeでレアものを発見。マリス・リエパ慈善基金製作による「青神」の映像。「青神」はバレエ・リュスで1912年に初演された作品。振付はフォーキン、音楽はレイナルド・アーン、台本はコクトー、美術はバクスト、主演はニジンスキー。バレエ・リュスで上演された作品の中では失敗作の一つで、その後はほとんど上演されていない。21世紀になって、それを、スクリャービンの音楽、ウェイン・イーグリング振付で再構成したが、それも成功とは言えなかったよう。クレムリン・バレエでその「青神」を上演したものを映像化したもの。プロデューサーはアンドリス・リエパ。主演は(初演でニジンスキーが踊った青神の役)ツィスカリーゼ。イルゼ・リエパが女神を踊っているほかは、クレムリン・バレエのメンバー。1時間弱の作品。エキゾティックで伝説的はストーリーなので、ディアギレフとしては「シエラザード」の二番煎じを狙ったのだろうか。ニジンスキーの踊った青神の役が後半にならないと登場しないことが不評の一因らしい。顔を青く塗って(まるでブルーマン)ニジンスキーの顔がよく見えないのも不評だったのかもしれない。しかし、青神がフルートを持っていたり、膝を立てて座る姿とか、生贄とかが、その後の「牧神の午後」「春の祭典」につながっていったのかもしれない。

久しぶりの配信

渋谷にある七面鳥というライブハウスの「ヴァギナ・モノローグ」を配信で見る。日本でも何度が上演されている作品だが、見るのは初めて。五人の女性に、舞踏と歌を入れての演出。思っていたほど過激ではなかった。今まで見た配信の中では一番きれいな映像だった。

ツィスカリーゼの王子

今の鬼軍曹からは想像できないが、ツィスカリーゼは王子も踊っていた。グリゴロヴィッチの「白鳥の湖」では、同じ時期に王子とロットバルトの両方を踊るダンサーがいる。知っていいる限りでは、A・ヴェトロフとツィスカリーゼの二人。グリゴロヴィッチ版のロットバルトは、王子とほぼ同等の裏の主役なので、バレエとしても演劇的にも重要な役になっている。かと言って、王子を踊るダンサーが皆ロットバルトを踊れるわけではないし、ロットバルトを踊るダンサーが皆王子を踊れるわけでもない。やはり、特別な人なのだ。

ツィスカリーゼ・チャンネル

90年代にボリショイで活躍したツィスカリーゼは、ただのイケメンではなく、個性的なダンサーで、まさしくグリゴロヴィッチのお気に入り。ムハメードフ、タランダ、A・ヴェトロフらの系列。今はワガノワ・バレエ学校の校長で、すっかり鬼軍曹が板についている。You Tubeにそのツィスカリーゼのチャンネルを発見。何から何までロシア語なので、内容は見てみないとわからない。で、たまたま見たのは「白鳥の湖」で、ツィスカリーゼがロットバルトを踊っている。道化を踊っているのはたぶん岩田守弘。あとは不明。初めにグリゴロヴィッチが舞台を確認している様子が映っていて、2001年の公演のものらしい。ロシア語でも、数字だけはわかる。このチャンネルも見始めると止まらなくなりそうだ。