水天宮

日本橋公会堂で、dimand-Z配給芝居「台所太平記」を見る。たぶん、かつて商業演劇のために書かれた脚本。ハッピーエンドすぎるので、ちょっと興醒め。帰りは近くのまいばすけっとで買物。

ルグリの「シルヴィア」

BSプレミアムシアターで、ウィーン国立劇場バレエの「シルヴィア」を見る。「シルヴィア」と言えば、バランシンの「シルヴィア パ・ド・ドゥ」がよく上演されるが、これはドリーブの音楽を使っているだけで、作品とは全く関係はない。全幕物の「シルヴィア」はアシュトン版があるが、あまり上演されない。確かに、ストーリーは少し退屈だが、ドリーブの音楽は素晴らしいので惜しい。というわけで、ルグリの新しい振付はうまくまとめられているし、奇抜なこともしていなくて、楽しく見られる。因みに、カーテンコールに登場したルグリは相変わらず、素敵。

クリスタル・パイト

BSプレミアムシアターで、パリ・オペラ・バレエの「ボディ アンド ソウル」を見る。今注目のカナダのコレオグラファー、クリスタル・パイトの2019年の作品。3部構成で、第1部はダンスと言葉の融合、第2部はショパン、第3部は昆虫の世界。かつてのモダンダンスは振付が優位だったが、コンテンポラリーは、ダンスと様々な要素の融合が主流。一言で言えば、凝った構成。まだ、この世界には入り込めない。

あひるの配信

駅前劇場からの生配信で、あひるなんちゃら関村個人企画劇場版「宇宙の話を3つしよう」を見る。タイトル通り、3本の短編の連続上演。短編だけど、3本続ければ3時間。2本は以前にギャラリーで見た作品だが、それを微妙につながったものに構成している。生配信だからじっくり見られたが、やはり緊張感には欠ける。

赤坂見附

赤坂レッドシアターで、日本劇団協議会の「僕の庭のレディ」を見る。ホームレスであるミス・シェパードが弱者に見えないところがねらいなのかもしれないが、ちょっと元気すぎるような印象。最後に出て来る葬儀屋の若い男が気になる。

ロイヤル・バレエのトリプルビル

WOWOWで、ロイヤル・バレエのトリプルビルを見る。マクミランの「コンチェルト」、アシュトンの「エニグマ・ヴァリエーション」、そして「ライモンダ」の第三幕。ロイヤル・バレエとしては最高の組み合わせ。しかし、結局最後の「ライモンダ」(ヌレエフ振付)のオシポアにすべて持って行かれた感じ。オシポアの存在感はすごい。

表参道

MFYサロンで、ちいさな朗読会を見る。いつもは、女性3人とか男性と2人でやっているが、今回は河崎早春さん一人の朗読会。趣の異なる3作品にハープの演奏も。人数制限をしていたので、ゆったり見られた。表参道は、かなりの人出。ナチュラルハウスで買物。

高円寺

座・高円寺1で、トラッシュマスターズの「堕ち潮」を見る。休憩を入れて3時間半。中津留家の物語だと聞いていたので、その興味で見ていると退屈すつことはない。五時開演だったので、終演したのは8時半。外の店はほとんど閉まっていたが、地下鉄は普通に混雑。

ロイヤルバレエの「眠りの森の美女」

WOWOWで、ロイヤルバレエの「眠りの森の美女」を見る。昨年、上演された金子扶生主演の舞台。ロイヤルバレエの「眠りの森の美女」は当然マクミラン版だと思っていたら違った。プティパの振付をもとに今までいろんな人たちが手を入れたものを総合的にまとめたというもの。ロシアで上演されているものに対抗(とまではいかないが)して、イギリスの「眠りの森の美女」の見本を作り上げたということだろうか。と言っても、大きな違いがあるわけではなく、あえて言うならば、カラボスを女性が踊っていることと、マイムを多く取り入れていることだろうか。全体的に上品に華やかで、登場人数は抑え目。金子扶生は、急なキャスティングだったとのことで、ちょっと硬いところもあったが、素敵。ただ、演劇的に言うと、彼女はリラの精の方が向いているのではないかと思う。

パリ・オペラ・バレエの「マノン」

WOWOWで、パリ・オペラ・バレエの「マノン」を見る。オレリー・デュポンの引退公演。95年のパリ・オペラ・バレエの日本公演で彼女を初めて見たが、その時はまだ小さな役(ドン・キホーテのキトリの友人など)を踊るくらいだった。その彼女が今や、パリ・オペラ・バレエの芸術監督とは、すごい。因みに、マクミランの作品で、パリ・オペラ・バレエのレパートリーになっているのは、3作品で、全幕物は「マノン」のみのようだ。ところで、この時代、フランスの流刑地がニューオリンズというのが興味深い。

今日も下北沢

OFF・OFFシアターで、グッドディスタンス風吹く街の短編集第四章「ジャングル」「自画像」を見る。前者は二人芝居、後者は一人芝居。上演時間は1時間前後。客席は20人前後。何とも贅沢な公演。ゆとりある客席は、落着いて見られる。

下北沢

小劇場楽園で、山の羊舎の「メリーさんの羊」を見る。久しぶりに見ると、中村伸郎の世界観が見えてくる。客席は10人ちょっと。今は夜の公演がどこも大変みたいだ。3ヶ月ぶりの下北沢。普通に人が多いが、閉店したり、休店している店が多い。オオゼキも改装のため移転するそうだ。

モース、お前もか

アメリカのドラマで、日本や日本人が描かれる時は、いつもとんでもないことになっている。それが、いつまでも改善されない。正直、もう期待していないのだが、「主任警部モース」でもとんでもないエピソードがあった。オックスフォード大学の夏期講習に来ていた日本人が殺されるという事件なのだが、この日本人の名前が、ユキオ・リー。しかも、苗字がユキオだという。視力が弱くて眼鏡をかけていて、洋食が口に合わないのでオレンジジュースばかり飲んでいるという設定。いかにも、感じの悪い人物に作られている。地元のイギリス人は、彼を「東条の息子」と呼び、「日本には広島、長崎というアリバイ(口実)がある」と言う。もちろん、戦争の時のしこりがあるからこういう発言が出て来るのだろうが、欧米人が日本や日本人について思っていることは、時が流れても変わらないのだろう。1987年のエピソードだが、モースも「ジャップ」という言葉を使うし、ルイスは「黄色」という表現をする。モースでも日本と言えば、「禅」と「蝶々夫人」しか思い浮ばないようだ。若い頃、ヨーロッパ戦線で戦ったサーズデイのもとにいたモースなら、戦争の虚しさや、日本や日本人について他の人よりは理解していると信じたい。ところで、ユキオ・リーを演じているのは、エイジ・クスハラ。日本出身で、80年代から亡くなるまで、(2010年没)イギリスで活躍していた役者さんだ。

VHSの整理 「トロイヤの人びと」

モースがチケットを取るのに苦労したベルリオーズのオペラ。トロイの木馬とディドとエネアスの悲恋を描いた作品で、上演時間は4時間以上、登場人物もコーラス、バレエ、黙役を含めてすごい数だし、大規模スペクタクルの上演となるので、80年代ではまだ上演の機会は少なかったようだ。1983年のメトロポリタンオペラの上演を録画したもの。いかにも、あの時代のメトの舞台という感じ。ドミンゴ(エネアス)、タチアナ・トロヤノス(ディド)、ジェシー・ノーマン(カサンドラ)が絶頂期で圧倒される。

愛の三部作

去年、イギリスで放映された「刑事モース」の新作3本は、一応一話解決だが、ストーリーはつながっている。というわけで、ただでさえ、人間関係が複雑に入り組んでいるのに、さらに込入ってわかりにくい。主筋としては、運河沿い連続殺人事件だが、そこに保険金詐欺、モースの恋愛、ブライト警視正夫人の病気、未解決の少女行方不明事件、不可解な連続事故死、千里眼の女、そして70年代の社会情勢、移民問題、人種差別などが絡む。しかも、最初と最後はイタリアのヴェニス。主任警部モースにだんだん近づいてきている様子が見られる。ストレンジはぐっと貫禄が出てきて、堂々と、モースとストレンジに意見する。(ちなみに、たぶん初めてモースがストレンジに「ありがとう」と言った。)マックスも言うことははっきり言う。一番印象に残ったのは、モースを演じていたジョン・ソウの娘、アビゲイル・ソウ(新聞記者役)がどんどんモースに似て来たこと。彼女とモースが並んでいるシーンは感動的だ。次回作は作られるのだろうか。

六本木

俳優座劇場で劇団俳優座の「正義の人びと」を見る。約二ヶ月ぶりの観劇。劇場2階のトイレが新しくなっていた。大公妃とヤネクのシーンが印象的。調べてみたら、この大公妃も革命後殺害されたそうだ。それもふまえてみると、この二人の芝居だけで一つの作品が出来そうだ。

クレムリン・バレエ

WOWOWで、全豪オープンテニスの代わりに「ロシアバレエの宝石たち」をやっていて、後半の方を見ていたらクレムリン・バレエの様子が出てきて、「ルスランとリュドミラ」が上演されていた。このバレエ団の人気のレパートリーになっているようだ。最近の上演も見てみたい。

バランシンの「セレナーデ」

BSプレミアムシアターで、新国立劇場バレエの去年のニューイヤーバレエを見る。まだ、長閑な雰囲気が感じられる。ほんの一年前なのに。「セレナーデ」はパトリシア・ニアリーが指導に来ていて、きちんと仕上がっているのだが、何か物足りない。髪をおろした時の色っぽさが感じられないのは、金髪でないせいか、髪の量のせいか。

オーストラリア・バレエの「スパルタクス」

BSプレミアムシアターで、オーストラリア・バレエの「スパルタクス」を見る。ルーカス・ジャービスによる振付。グリゴロヴィッチ版と違うのは、クラッススの愛人エギナが登場せず、代りに妻と息子二人(少年)が登場。クラッススを捕らえたところで、スパルタクスは、この子供たちに同情して、彼を助けてしまう。エギナによる色じかけはないので、反乱軍は簡単に分裂して、あっさり負けてしまう。スパルタクスの残酷な部分も描かれていて、奴隷同士の戦いのシーンも、彼は相手が誰かを認識した上で、残酷に殺すし、敵の殺し方も残酷。エロティックな場面を比べると、グリゴロヴィッチは、それをすべて踊りで表現していたところがすごいと再確認。ムハメードフのスパルタクスを見ていると、中々それ以上のものにはめぐり会えない。男性は上半身裸のシーンが多く、芸術的なヴォードヴィルのように見えてしまうところもある。

モンテカルロ・バレエ

WOWOWで、モンテカルロ・バレエの「ラ・ベル」を見る。マイヨー振付の「眠りの森の美女」。もとの「眠りの森の美女」のデジレ王子はダンサーにあまり人気がない。あるダンサーは、この役は、作品の中でまるで成長しない人物なので、やりがいを感じないと言っていた。その王子の視点から描いた作品。マイヨ―らしく、かなりエロティック。小池ミモザがリラの精。

NCIS時々モース

NCISの連続放送が始まり、モース刑事もぽつぽつと始まっているので、年末年始はどっぷりと見る予定。年が明けると、警部モースも改めて始まるので、当分モースには事欠かない。

マリンスキー・バレエの「海賊」

WOWOWで、マリンスキー・バレエの「海賊」を見る。1991年のキーロフ時代の来日公演で見て以来。衣裳など、多少変わっているところはある。結局、この作品の弱点は、コンラッドとアリのキャラクターが魅力的でないことにつきる。コンラッドは海賊のわりにいい人だが、それについての苦悩のようなものはないし、アリは何を考えているのか、どういう人物なのか全くわからないし、自分自身の意志が感じられない。二人共、演劇的にもダンス的にもいいところがあまりない。パ・ド・トロワの場面も、独立して見ることが多いせいか、全幕物の中で見ると、妙に浮いて見えてしまう。それに比べると、第一幕のギュリナーラとランケデムのパ・ド・ドゥは、ストーリーになじんでいて、素晴らしい。そもそも、この作品で一番魅力的なのは、ランケデムではないだろうか。演劇的にもダンス的にも見せ場があるし、キャラクターの性格付けもきちんとできている。ところで、アリを踊っているのは、注目の韓国系ダンサー、キミン・キム。今後が楽しみだ。

高円寺

座・高円寺1で、メメントCの「太平洋食堂」を見る。三度目の観劇。休憩を入れて3時間15分の大作。座・高円寺は2月以来なので10か月ぶり。

ロイヤルバレエ、新演出の「白鳥の湖」

BSプレミアムシアターで、ロイヤルバレエの「白鳥の湖」を見る。プティパ、イワノフ版にアシュトンが追加振付したものを、リアム・スカーレットが改訂演出したニュープロダクション。まず、オデットがロットバルトに呪いをかけられ白鳥にされるプロローグがある。王子は軍人で、友人たちも軍人。現代に近いイギリス王室の雰囲気だ。女王と王子のやりとりは、早く結婚させようとするエリザベス女王と、結婚をさけようとするチャールズ皇太子のように思える。当然、道化と家庭教師は登場しない。代わりに、友人のベンノ、王子の妹の王女が二人登場し、この三人でパ・ド・トロワを踊る。第三幕でもパ・ド・トロワを踊る。女王の側近が実はロットバルトで、王冠を奪うのが目的。花嫁候補は、ハンガリー、スペイン、イタリア、ポーランドの四人。この売り込み方が、ひどく品がない。王子じゃなくても、結婚はやめたくなる。明らかな政略結婚で、それを利用とする娘たちのアピールの仕方がすごい。妃の決め方として、これがイギリスの伝統なのだろうか。ラストは、オデットが犠牲になって湖に飛びこみ、王子が茫然と人間の姿に戻ったオデットの遺体を抱き締める。突飛な振付はなく、全体的に質素な仕上がり。

モースの周辺

モースのファーストネームがエンデヴァーという意味のあるかわった名前であるのと同じように、その周辺の役名もちょっと変わっている。サーズデイ、ストレンジ、トゥルーラブ、ファンシー。それぞれに、役柄と関係があるのだろうか。

サーズデイ

「刑事モース」で、サーズデイを演じているロジャー・アラムは、「警部モース」にもゲスト出演している。つまり、若い頃に晩年のモースと共演し、20年たって新人のモースと共演しているわけだ。しかし、この人、実はすごい人なのだ。ミュージカル「レ・ミゼラブル」のロンドン初演でジャベールを演じたのはこの人。その他にもシェイクスピアの舞台に多く出演している。まさしく名優。

六本木

俳優座5階稽古場で、劇団俳優座の「火の殉難」を見る。二・二六事件直前の髙橋是清周辺を描いている作品だが、古川健の手によるので、いろいろと仕かけがある。かつて、暗殺された人物との回想や、襲撃を待つ青年将校や、とっくに亡くなっている養祖母が時々登場したりする。一番の仕かけはネタバレになるので、ふせるが、ちょっと無理な設定かも。だんだん、仕掛けが見えてくるので、あまり衝撃的なラストとはなっていない。

マクミランの「うたかたの恋」

BSプレミアムシアターで、ロイヤルバレエの「うたかたの恋」を見る。クランコの同窓生、マクミランの作品。メロドラマとして描いている映画に反発して作った作品らしいので、映画の邦題をそのまま使うのはどうなのだろうか。原題通り「マイヤーリング」とした方がいいと思う。とにかく、激しく刺激的な作品。アシュトンの穏やかで無難な作品と、マクミランのこうした刺激的で主張の強い作品で、ロイヤルバレエはバランスをとっているように思える。

クランコの「オネーギン」

BSプレミアムシアターで、シュトゥットガルト・バレエの「オネーギン」を見る。東京バレエ団で見た事はあるが、本家の公演は初見。なんと、マリシア・ハイデが乳母役で出演している。驚いたのは、彼女が思いのほか小柄なこと。現在でも、本家はもとより、世界中のバレエ団がこの作品を上演し続けているくらい、この作品は素晴らしいのだが、彼女がいなかったら、この作品は生れなかっただろうし、ミューズの存在意義は大きい。

モースのファーストネーム

誰からも「モース」と呼ばれるモースのファーストネームは、エンデヴァーEndeavor。直訳すると、努力。モースの母親がクエーカー教徒で、普通は名前に使わない意味のある言葉を名付けたそうで、モースはそれがいやで、ファーストネームを名乗らないし、聞かれても答えようとしない。「刑事モース」の原題は、Endeavorなのだが、ただモースのファーストネームというだけではなく、努力という意味もこめているのだろう。おそらく、モースが匿名で寄付をした若手音楽家のためのEndeavor奨学金も、ルイス以外の人には、それが名前だとは思われていないのだろう。