マリンスキー・バレエの「海賊」

WOWOWで、マリンスキー・バレエの「海賊」を見る。1991年のキーロフ時代の来日公演で見て以来。衣裳など、多少変わっているところはある。結局、この作品の弱点は、コンラッドとアリのキャラクターが魅力的でないことにつきる。コンラッドは海賊のわりにいい人だが、それについての苦悩のようなものはないし、アリは何を考えているのか、どういう人物なのか全くわからないし、自分自身の意志が感じられない。二人共、演劇的にもダンス的にもいいところがあまりない。パ・ド・トロワの場面も、独立して見ることが多いせいか、全幕物の中で見ると、妙に浮いて見えてしまう。それに比べると、第一幕のギュリナーラとランケデムのパ・ド・ドゥは、ストーリーになじんでいて、素晴らしい。そもそも、この作品で一番魅力的なのは、ランケデムではないだろうか。演劇的にもダンス的にも見せ場があるし、キャラクターの性格付けもきちんとできている。ところで、アリを踊っているのは、注目の韓国系ダンサー、キミン・キム。今後が楽しみだ。