ボリショイの「ラ・バヤデール」

クラシカジャパンで、ボリショイバレエの「ラ・バヤデール」を見る。グリゴロヴィッチ版の「ラ・バヤデール」は、1993年のボリショイの来日公演で見た以来。三幕構成で、影の王国の場で終了となるのは同じだが、ソロルが神の罰を受け寺院の壁の下敷きになって死ぬというラストシーンが、ニキヤの面影を追って自ら命を絶つという穏やかな終わり方に変っている。改めて見てみると、グリゴロヴィッチが人物の内面を描こうとしているのがよくわかる。構図としては、インド版の「白鳥の湖」で、ソロルは王子、ニキヤはオデット、ガムザッティはオディール、大僧正はロットバルトだろうか。因みに、このバレエで一番好きなところが、黄金の仏像の踊りだ。身長の低い男性ダンサーの出世役みたいなもので、かつては熊川哲也も踊っている。このシーンは本来(マカロワ版では)、最終幕の結婚式の始まる前の寺院で、踊られる。仏像が踊るというのは非現実的なことなので、誰もいない寺院で踊るからこそ、その素晴らしさが生きるように思う。しかし、影の王国で終了する構成だと、第二幕の祝宴のディベルティスマンに入れられ、大勢の前で踊ることになってしまい、そうすると、この踊りの意義が半減してしまうように感じる。ところで、この公演は2013年のものだが、かつてドゥグマンタを踊っていたシトニコフが大僧正を踊っている。ソビエト時代からいる人が出演していることに感激。