VHSの整理 アレキサンダー・ヴェトロフ

ムハメードフ、タランダと同世代だが、いわゆるサラブレッド組。しかし、リエバ、ファジェーチェフとはちょっと違った存在。「スパルタカス」のクラッスス、「ロミオとジュリエット」のティボルト、「白鳥の湖」のロットバルト、「ライモンダ」のアブダラーマンを踊るかと思うと、「眠りの森の美女」の青い鳥、「白鳥の湖」の王子も踊る。つまり、ムハメードフの踊る役も、タランダの踊る役も踊るという役柄のストライクゾーンが実に広い。しかし、彼の踊りのエネルギーと踊りを超越した表現力はすごい。例えば「スパルタカス」のクラッススの場合、踊りの中に彼の邪悪さ、非人間さ、野心、いやらしさ、恐ろしさ、図々しさがすべて表現されていて、踊りを見るだけで、それがどういう人物なのかがわかる。最近のボリショイの「スパルタカス」の映像を見たが、まるでお話にならない。いつから、ロシアのダンサーはあのエネルギーを失ってしまったのだろうか。ところで、同じ時期もう一人、ヴェトロフというダンサーがいた。こちらは、ユーリ・ヴェトロフ。「くるみ割り人形」のドロッセルマイヤー、「ジゼル」のヒラリオン、「ロミオとジュリエット」のロレンス神父、「白鳥の湖」の家庭教師、「眠りの森の美女」のカラボスなど、もっぱら演劇的役柄が多いが、小さな役も含めてほぼほとんどすべての公演に出演している。実は、彼、グリゴロヴィッチの助手もつとめていたそうだ。しかも、奥さんはプリマのブイローワ。さて、この二人のヴェトロフに共通しているのは、ソ連崩壊後もボリショイに居続けたこと。さすがに、ユーリはグリゴロヴィッチと共にボリショイを去ったようだが、アレキサンダー・ヴェトロフはその後もボリショイに居続けた。

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