メリル・アシュレイの「バロ・デ・リジーナ」

You Tubeで、NYCBの「バロ・デ・リジーナ」を見る。ヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」の中の王妃のバレエにバランシンが振付たもの。原曲はオペラではまず使われない。この作品はメリル・アシュレイのために作られた作品というわけで、彼女の代表作とも言える。プリンシパルの男女、ソリストが女性4人、アンサンブルは女性12人。要するに、男性は一人だけ。全体的にシンプルで質素な作品だが、メリル・アシュレイの長身と長い足が生かされている。残念ながら、最近はあまり上演機会がないのは、彼女のようにこの作品をこなせるダンサーが少ないからではないだろうか。

セレナーデ

You Tubeで、NYCBの「セレナーデ」を見る。ダーシー・キシラーとキラ・ニコルズが共演している貴重な映像。この時代は良かった。やはり「セレナーデ」はバランシンの基礎だ。

シンフォニー・イン・Cと水晶宮

You Tubeでキーロフ・バレエ(マリンスキー・バレエ)の「シンフォニー・イン・C」を見る。このバレエを最初に見たのはNYCBの公演だったし、かなりの回数シティー・バレエで見ているので、それが基本となっている。何年か前、パリ・オペラ・バレエの「水晶宮」を見た時は、基本的に同じバレエだが、かなり違う印象だった。実は、この作品はバランシンがパリ・オペラ・バレエのために作ったものなので、本来はそちらが基本ということだ。衣装は華やかな色彩で、振付も違うところがあるのだが、バランシンがこのバレエをニューヨークで上演する時に、衣装をシンプルな白と黒にし、振付にも手を入れたようだ。キーロフの場合は、「シンフォニー・イン・C」だが、衣装は少し華やか(淡い色彩)なので、「シンフォニー・イン・C」と「水晶宮」の中間という印象。素晴らしかったのは第二楽章。NYCBのダンサー(女性のプリンシパル)だと、どうしてもこのゆっくりなテンポの楽章が型にはめられた硬い印象になってしまうのだが、ロシアのダンサーだと何か違う。

VHSの整理 ギルバート&サリバンまとめ

アメリカで製作された映像版のギルバート&サリバン。「ミカド」「ラディゴア」「ペンザンスの海賊」「ゴンドリア」「古城の衛士」の5本。台本はシンプル。相思相愛の若い男女がいるが、いろいろと障害があって、結婚できない。二人の回りは複雑で、変なおじさん、意地悪なおばさんなどがいる。どうなるんだろう?というところで、第一幕が終わって休憩。第二幕は展開が早く、驚きの事実などがあって、ハッピーエンド。だいたいこんなもの。それぞれの幕がだいたい1時間弱で、休憩を入れて2時間ちょっと。で、音楽が素晴らしい。必ずあるのが、早口言葉のようなテンポの早い歌。コーラスは男性、女性別々が多く、混声はほとんどない。よく才能ある二人が出会って、これだけの作品を作れたと思う。専門のカンパニー、専門の劇場があるくらいなのだから、すごい。何故、日本で上演されないのか、とにかく不思議。

バランシン「ジュエルズ」

You Tubeで、マリンスキー・バレエ(旧キーロフ・バレエ)の「ジュエルズ」を見る。作品にもよるが、ロシアのバレエ団にもバランシンの伝統を継承していって欲しい。バランシンはそもそもロシア出身だし、この作品などは、いかにもロシア・バレエだ。NYCBは新しい方向にいこうとしているようだし、いつまでも「バランシンのバレエ団」というレッテルを貼るのも気の毒のような気がする。

VHSの整理 ギルバート&サリバン

本国イギリスはもちろん、アメリカでも専門のカンパニーがあったり、オペラハウスのレバートリーにもなるギルバート&サリバンのオペレッタだが、何故か、日本ではほとんど上演されない。その原因はおそらく、代表作の「ミカド」だ。あの時代西洋で人気の異国情緒だっぷりの作品。東洋のどこかの国、としてくれればいいが、はっきりと舞台は日本、しかもタイトルがミカド。そのため、いろいろ忖度して、めったに上演されないらしい。音楽はすごくいいのだが、ヴィジュアルがいけない。日本と中国と韓国とタイとベトナムとインドなどなどがごっちゃになっている。忍者みたいな人やら、相撲レスラーみたいな人が出て来るし、衣装や髪型はめちゃくちゃ。そういうものだと思って見るしかない。

VHSの整理 ABTの「ジゼル」

1977年、マカロヴァ、バリシニコフの「ジゼル」。バリシニコフが亡命してまもない頃。当然、まだ若いので、アルブレヒトは気紛れで庶民の娘と楽しく遊んでいる無責任さが感じられる。すごいのは、第二幕のマカロヴァ。まるで空気みたいに、浮いている感じ。重力がないみたいだ。バリシニコフがジャンプするたびに拍手がおこるのが玉にきず。

ドゥアートの「ラ・バヤデール」

BSプレミアムで、ミハイロフスキー・バレエの「ラ・バラデール」を見る。聞きなれないバレエ団だと思ったら、かつてのレニングラード国立バレエだということが判明。最近、古典の振付もしているナッチョ・ドゥアートが演出・振付。彼のインタビューによると、古典バレエは長すぎるので、余計な部分を削除し、マイム部分を踊りに変換すると言う。でも、それって、グリゴロヴィッチが何十年前からやってるけど。というわけで、「ラ・バヤデール」は皆踊る。大僧正もラジャも踊る。四幕構成で、影の王国の場で終了。金の仏像は、第三幕の婚約パーティーの場で踊る。インドが舞台のこのバレエも初演当時は人気があったそうだ。今見ると、かなりの違和感。オペラの「蝶々夫人」「トゥーランドット」と同じようなものと思うしかないのだろうが。

VHSの整理 ボリショイの「ライモンダ」

ベスメルトノワ、ヴァシュチェンコ、タランダという80年代のベストメンバー。グラズノフの音楽も、プティパの振付もいいが、ストーリーとしては単調。仕方ないので、グリゴロヴィッチは、とにかく踊るシーンを増やしている。アブダラーマンを魅力的な人物にするため、彼にもとにかく踊らせる。しかし、この作品、かなりの人種差別だ。有色人種(サラセン)が白人世界(フランス)に入りこもうとするが、結局白人の勝ち。白人は幸せになり、有色人種は追い出される。当時のロシアを含むヨーロッパは、アジアやアラブに侵攻していたので、エキゾティックな雰囲気のバレエが喜ばれたそうだ。

バランシンとモーツァルト

You Tubeで、NYCBの「ディベルティメント15番」を見る。仲々見る機会に恵まれない作品だが、いろいろな意味でバランシンの見本のような作品。アンサンブルは女性8名、プリンシパルは女性5名、男性3名。アンサンブルはそれぞれ見せ場があるし、プリンシパルも時にアンサンブルに混ざる。「セレナーデ」がさらに進化した作品。モーツァルトの数多い作品の中から、この曲を選んだバランシンはすごい。

VHSの整理 マカロヴァの「白鳥の湖」

1976年頃のABTの「白鳥の湖」を見る。美術、衣装は古臭いし、マイムが多く、演出的には過去の舞台。しかし、マカロヴァのオデット、オディールは素晴らしい。オデット、オディールを踊るのに、足を180°開脚する必要はない。

21世紀版「眠りの森の美女」

wowowで、2011年のボリショイの「眠りの森の美女」を見る。こちらも主演はザハーロワ主演。グリゴロヴィッチ版だが、美術、衣装はかなり変わっている。グリゴロヴィッチはカラフルな色彩より、シックで同系統の色合いが好みだ。「白鳥の湖」では、オデットの白、オディールの黒を基準に全体的に白系統の色が使われている。5人の花嫁候補も白系統で統一されていて、民族色をあまり出さない。「眠りの森の美女」の4人の花婿候補も20世紀版では白系統衣装で、民族色は全くなかったが、21世紀版ではカラフルな色調で民族色をはっきり出している。1幕、3幕では子供たちも登場するし、より式典色を出したということかもしれない。

21世紀版「白鳥の湖」

wowowで、2015年のボリショイの「白鳥の湖」を見る。グリゴロヴィッチが再評価され、2001年に改訂したバージョン。基本的に元のバージョンと変わらないが、幕切れが違う。王子はオデットを救うことが出来ず、絶望に打ちひしがれて幕となる。グリゴロヴィッチらしい暗い幕切れだ。何でも、ソビエト時代は、この幕切れが許されなかったとか。今評判のザハーロワが主演。確かに足が長くて素敵だが、バレエというよりフィギャースケートを見ているようだ。

VHSの整理 キーロフの「ドン・キホーテ」

ドン・キホーテとサンチョパンサが登場する時、二人共ロバに乗って来るのだが、そのロバが本物。つまり、それぞれがロバに乗って、それぞれのロバにロバの付添いがついている。もちろん、その人たちはロバの「専門家」なので、衣装を着ているが芝居心はない。二人がロバを降りると、表情も変えずロバと共にいなくなる。この公演では、アシルムラトワが第一幕でエスパーダの相手の街の女を踊っている。「ジゼル」ではジゼルの母ベルタをやっていたりして、主役を踊るまで苦節があったようだ。

VHSの整理 放蕩児の遍歴

原作はウィリアム・ホガースの銅版画。ストラヴィンスキーのオペラが有名だが、こちらはバレエ。ロイヤル・バレエの創始者、ニネット・ド・ヴァロワ女史が、1935年に発表した作品。現在では、ほとんど上演されていないし、出演者の中にデイビット・ビントレーがいるなど、かなりレアもの。

VHSの整理 夏の夜の夢

サー・ピーター・ホールが、1968年に映像化した作品。ヘレン・ミレンがハーミア、ジュディー・ディンチがタイテーニアをやっている。50年も前なので、二人共若くて可愛らしい。貴重な映像である。